指輪物語TRPG(MERP, LotR) 日本語情報

最終更新: 2003年9月9日

The Lord of the Rings RPG ルール抄訳を地味に整備中です．下半分に，Middle-Earth Role Playing の情報も置いています．

The Lord of the Rings RPG (LotR, Decipher Inc.)

The Lord of the Rings RPGは，Decipher, Inc. から発売された，指輪物語の背景世界 Middle-Earth を舞台にしたTRPGです．主な特徴は次の通りです．

原作に忠実な各種族の能力
職業ごとに準備された様々な特殊能力
能力値ボーナス + 技能ランク + 2d6 による一貫性のある判定方法
指輪の力など，闇からの誘惑を表現する Corruption ルール
英雄としての名声を表現する知名度の能力値化
戦争を扱うための集団戦闘ルール

原作に登場した場面を再現するためのルールや技能，特徴，特殊能力が用意されています．また，フレーバーテキストや映画の場面が多数挿入されており，原作ファンならルールブックを読むだけでも十分面白いと感じられるかもしれません．

以下，遊ぶために必要と思われるルールの抄訳，職業や種族のまとめを置いておきます．また，大阪大学RPG研究会でキャンペーンシナリオを遊んだ結果のフィードバックも，簡単なメモですが，公開しています．

公式ウェブサイトで公開されているFAQ等による補足説明も随時取り込んでいきたいと思います．

註：この抄訳等は The Lord of the Rings RPG を快適に楽しめる人が増えるように，という考えから公開しています．著作権者の利益を損なう恐れがないようにとの配慮から，ゲームを遊ぶためにはルールブックが必要となるよう，わざと表などを含めていません．しかし，厳密には現状でも問題が生じる可能性があります．その場合には，情報が確認でき次第，直ちに公開を停止します．

上記のデータは，すべて，基本的には自己責任でご利用ください．まだまだ不完全としか言えないものですので，誤植，誤訳等の指摘は大歓迎です．ルールや魔法のサマリを修正・加工して利用される場合， eMemoPad - Outline & Layered Text Editorを使って加工するのが便利です．現在のところ，1.x 系を使っています．

良いところ，悪いところ

良くも悪くも原作物です．全体的な特徴，技能，などの設定についてはそれほど悪くない仕上がりだと思います．世界観をうまく表現していて，原作を読んでいなくてもある程度は遊べるという点は評価できます（もちろん，ＧＭと，プレイヤーの中に１人か２人は知っている人がいないと厳しいでしょうが）．また，ソードワールドＲＰＧやＧＵＲＰＳに慣れている人なら，判定方法はそれほど苦もなく把握できると思います．

問題点としては，一つの判定に，様々な判定修正値が関わることが挙げられます．技能，種族，特徴，魔法，負傷による修正，行動回数による修正などがあり，それらをすべて把握する必要があります．これが意外と難しいようで，特定の条件下でのみ発揮されるボーナスはしばしば忘れられてしまいます．

抵抗・防御能力を表す「Reaction」の値は技能の上昇に比べるとそれほど上昇しないため，また，サイコロ２個で判定するゲームであるにも関わらず，普通に+4といった修正が入ったりもするので，攻撃や恐怖判定など，しばしば，一方的な展開となる可能性があります．

遊んだ感想から言うと，キャラクターを作成した後，ある程度キャラクターの状態を把握してからシナリオを作る，というほうが安全なようです．

ＧＵＲＰＳ同様，技能が多数あるゲームですので，キャンペーンシナリオとして遊んでいくと，プレイヤーの性格にもよりますが，極端な能力成長をしてしまい，あとで困る場合もあります．ある程度，シナリオの方向性などから，どのような技能を持つべきか，ＧＭがアドバイスするのも重要なのではないか，と思います．戦闘技能は「高ければ高いほどよい」で済みますが，騎乗(Ride)や隠密(Stealth)など，どの程度高ければ良いのかわからない技能も多いので，最初のうちは，ＧＭとしての期待（どの場面でどのくらいの達成値を要求するつもりでいるか）をある程度オープンにしたほうが良さそうです．

Middle-Earth Role Playing

Middle-Earth Role Playing は，指輪物語の背景世界 Middle-Earth を舞台にしたTRPGです．大雑把な日本語訳，キャラクター補助シートを置いておきますので，必要でしたら活用してください．ダウンロードはこちら．

ゲームの概要

このゲームの特徴は，次のようなものです．

多彩な種族を使うことができます．エルフ，ホビット，ドワーフのように種族的な分類だけでなく，人間も文化によって様々に特徴付けられます．オークやトロルといった，闇の勢力に属する種族も網羅されており，自由なシナリオ構成を考えることができます．
職業は，戦士，魔法使い，アニミスト（この世界の神であるヴァラたちと交信できる人々），レンジャー，バード，スカウトです．伝統的な職業分類とほとんど同じですが，バードは多彩な言語を習得し様々な種族と対話できる，このゲームならではの特性を持ちます．
表をよく使います．d100＋能力修正＋スキル修正＋難易度修正の結果で表を参照し，成功か失敗かを見るというのが基本となっています．戦闘では，表にダメージ値が記載されており，自分の武器と相手の鎧の種類によって表が特徴付けられています．軽い鎧ほど当たりにくい，つまり低い値のときはダメージが出ないかわり，高い出目に対してはクリティカルが出やすいといった形式になっています．
魔法の種類がきわめて多彩です．総数400にもおよぶ魔法は，魔法使いを好むプレイヤーにとっては嬉しいものです．使える呪文系列の増加とレベルの増加とで，レベルの自乗のペースで使える魔法のバリエーションが増えていきます．また，レンジャーやバードといった職業ごとの独自の魔法があることも見逃せません．
長距離移動時の他勢力との遭遇ルール（地形によって遭遇率が変わる）や薬草探しといった，原作でも多い野外の冒険をフォローするルールが入っており， Middle-Earth を旅するための小道具も整えられています．原作がありながら，シナリオの自由度がきわめて高いことも特徴のひとつです．原作を知ることが楽しみの幅を広げますが，知らないプレイヤーでも十分に遊ぶことができる世界観を持っています．

ダウンロード

Middle-Earth Role Playing ルールサマリ PDF(α版)
ルールサマリといっておきながら，ゲームを遊ぶのに必要な「表」は抜いてあります．あくまで，原著を遊ぶ際の補助として使ってください．このゲームの判定はすべて「スキル修正＋状況による修正＋d100の結果で表を参照」形式なので，ルールブックのコピーは必須です．
Middle-Earth Role Playing ルールサマリ LaTeX ソース（SJIS，CRLF)
上記PDF版の元になったLaTeXソースです．ドキュメントを修正する必要がある場合はこちらを使ってください．もし修正された場合は，それをメール等でフィードバックしていただけると幸いです．
キャラクター補助シート PDF
MERP 標準添付のキャラクターシートには，貨幣や所持品，受けたダメージなどを記入する欄がありません．これを補うために作った補助シートです．微妙にカラーが入ってますが，気にせず白黒で印刷して使ってください．
キャラクター補助シート Word DOC 版
もし自分で編集したいという方はこちらをどうぞ．

このページの更新履歴

2003/09/09	Collected Rulings File の8月11日の更新に伴い，「長い持続時間を持った呪文」のペナルティの情報を呪文の行使に関する記述に反映しました．
2003/08/15	魔法リストを作成しました．フォント小さいわりに６ページなのでまだ少し改善の余地があるかもしれません．また，プレイした結果分かったことの簡単なメモも置きました．
2003/07/14	特徴(traits, edges and flaws) 一覧表を作成しました．
2003/07/06	2003/06/16 発表のエラッタ，FAQ の内容をルール，職業，特徴，種族のデータに反映しました．
2003/07/03	魔法の "Blinding Flash" の効果範囲・説明を修正しました．また，Middle-Earthの魔法の品々について，力の指輪以外の説明を追加しました．
2003/06/30	集団戦闘("Unit Combat")ルールの抄訳が加わりました．
2003/06/23	職業データに上級職(Elite Order)のデータがそろいました．
2003/06/13	魔法のデータが揃いました．まだ，Middle-Earthの魔法の品々のデータが未訳です．
2003/06/09	魔法のデータを少し追加しました．
2003/05/28	LotR: ルール抄訳，魔法の情報を更新しました．鮎方さんによる誤植の指摘を反映しました．
2003/05/25	LotR: ＲＰＧ研究会でのフィードバックをもとにデータを修正しました．

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Written by てぃる