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2004-07-31 古い日記からの変換データ [長年日記]

_ [論文] アスペクト干渉の検出

Remi Douence, Pascal Fradet, Mario Sudholt:Deetction and resolution of aspect interactions.Technical Report, INRIA, No.4435, 2002.

AOSD2004 で出ていた論文の前の話みたい.アスペクトの干渉についての研究で,あるアスペクトと別のアスペクトが同一の Join Point には決してマッチしないときアスペクトは強独立で,また対象のプログラムにおいて共通のJoin Pointが存在しないとき独立である,といっている.

アスペクトが状態を持つ場合の拡張がAOSDの論文ぽい.

アスペクト同士がデータ依存関係を持ってしまう場合などは考慮していない様子.難しいところだけれど.

_ [論文] モジュール単位とクラス単位のビューの併用環境

Doug Janzen and Kris De Volder:Programming With Crosscutting Effective Views.Proceedings of 18th European Conference onObject-Oriented Programming (ECOOP 2004), pp.195-218,Oslo, Norway, June 14-18, 2004.

異なるクラスに分散した一つの機能を見るためのモジュールビューと,クラス単位でどんなモジュールに関与している機能があるか見ることができるクラスビューとを行き来して,作業ごとに適切な環境で作業するべきだ,という論文.プロトタイプではデータベース上にソースコードを置いて,仮想ソースファイルとしてユーザに提示するらしい.

アスペクトの記述内容が与えている影響などもクラス上に表示されたら便利でもあるし,またクラスに分散した機能をアスペクトかのように見る機能はFEATなどで提案されているがそれなりに便利そう.

ただ,理想的にはそうだと分かっていても,実装が伴わないとみんな納得してくれなさそうではあるが.このような複数のビューを行き来することが開発効率をどのくらい向上するかなど,疑問というか研究としての発展性としては気になるところ.

_ [論文] テストケースの実行履歴に基づく分類

William Dickinson, David Leon, Andy Podgurski:Finding Failures by Cluster Analysis of Execution Profiles.Proceedings of the 23rd International Conference onSoftware Engineering, pp.339-348, Toronto, Ontario, Canada, May 2001.

多数のテストケースから,バグ発見に効果的なテストケースを抽出するための手法.個々のテストケースの実行プロファイル(この論文ではどの関数からどの関数が何回呼ばれたかのリスト)をもとにクラスタを構築し,各クラスタから代表者を選び出すことでバグ発見に効果的なテストケースを選び出す.

各クラスタリング手法(使っている類似度の基準)とクラスタからの代表者の選択方法(各クラスタから1つなのか,エラーとなるような実行履歴を持つクラスタから多めに選ぶか)を変えて実験をしていて,呼び出し回数を単純に正規化した方法がヒストグラムなどよりも効果があり,エラーとなる実行履歴を持つクラスタから多めにテストケースを選ぶ手法だとだいたい30%のテストケースを選んだだけで90%のバグをカバーできたらしい.

テストケースのうち要らないものを減らしたりはできるかもしれないが,テストケース生成時に実行プロファイル結果が予想できないと使いにくかったりする?という気がする.プロファイル取ってる時点で実行してるわけだし.

_ [論文] テストケースの選択方法

William Dickinson, David Leon, Andy Podgurski:Pursuing Failure:The Distribution of Program Failures in a Profile Space.Proceedings of the 8th European Software EngineeringConference held jointly with 9th ACM SIGSOFT InternationalSymposium on Foundations of Software Engineering 2001,(ESEC/FSE 2001), pp.246-255, Vienna, Austria, September 10-14, 2001.

ICSEの続きの話っぽい論文.エラーが見つかったテストケースと同じクラスタから別のテストケースを選び出すとき,クラスタ全体から適当に選ぶより,プロファイル結果が近いものを選び出したほうが別のバグ発見ができる場合がある,ということが示されている.エラーのある実行と成功した実行は大きく離れていて,エラー同士はある程度かたまる傾向にあるらしい.

_ [hyCalendar] 0.8.3 リリース

微妙に間が空いてしまったが,hyCalendar 0.8.3 リリース.

今回の更新は・日付メモからはみ出す文字列の折り返しをオプションとして追加.・印刷コンポーネントを最新版にした (Windows 98 関連でバグが直っているらしい)

TODO などの項目がはみ出して嫌だーという人や印刷時に項目がはみ出して悔しい人向け.期間予定だけは,自動位置調整の都合上,折り返せなかったりと微妙な条件は付いているが,たいていの人には十分なはず.逆に,たいした機能でもないので,使わない人はバージョンアップする意味はあまりない.

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