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自作フリーソフトや,ゲームに関する雑記を公開してます.
日記はソフトウェア工学の論文ネタが中心です.
最近のお知らせ (古いものはこちら)
2007-03-03 [長年日記] ▲
_ [ツール] ブログの本文を抽出する TSUBUAN ▲
5秒に1回ぐらいのペースで4時間ほど連続アクセスをしてた "zuzara/TSUBUAN" という謎のユーザエージェントを見つけたので調べてみたら,どうやら ブログの記事本文を抽出するAPI TSUBUAN のものらしいです.
このサービスは,URL を GET リクエストの引数として受け取り,HTML をサーバに要求して,そこから本文ぽいところだけを抽出して返すというもののようです.使い道はあまり思いつかないんですが,面白い道具ではあります.
API 経由のアクセスは全部同じホストからのアクセスに見えてしまうようなので,API 経由で高負荷をかけてくる人をこちらでは識別できない(ホストで蹴ると API 利用者全員が対象になる)というのが少し気になります.まあ,現段階では,そんなに影響はない(大量アクセスはその1回きりだった)ので,とりあえず様子見です.
2007-03-07 [長年日記] ▲
_ [近況] 来週はいよいよAOSDです ▲
と言いながら,19日に原稿締め切りがあるので,会場担当の人々を手伝うどころじゃありませんが.UBC を見てみたかったらガイドぐらいはします :)
ついでに書いておくと,Mylar プロジェクトがTasktop Technologiesという会社になりました.Mylar は「現在のタスクに必要なデータだけを表示しよう」という目的自体はシンプルな作業環境です.ツールをきちんと作り込んでるのが偉いです.
2007-03-19 [長年日記] ▲
2007-03-21 [長年日記] ▲
_ [論文] ほぼコピーのコードでも変種が存在する ▲
Magiel Bruntink, Arie van Deursen, Maja D'Hondt, Tom Tourwe: Simple Crosscutting Concerns Are Not So Simple - Analysing Variability in Large-Scale Idioms-Based Implementations.
Proceedings of AOSD 2007, pp.199-211, Vancouver, BC, Canada, March 2007. [ACM site]
コードクローンの情報をアスペクトとしてくくりだそうとしていた人たちの研究です.
ロギング(いわゆる実行トレース)のコードが各メソッドの先頭に埋め込まれていたので,それを抽出して,どのくらい,どんな変種があるかを調査しています.
その結果,「いつ,どこでトレースを取るか」はちゃんと決まっていたにも関わらず,文字列型以外のパラメータを文字列に変換する部分に明確なガイドラインがないために変種が出現していた,と指摘しています.ポイントカットは分かっていても,アドバイスに相当する処理が違うので,単純にアスペクトに括り出すわけにはいかなかったようです.
変種を調べるにあたっては,変数名と関数名を使っての concept analysis を使っています.極端なペアの偏りがあった場合は,accidental な変種ではないかと判断していたようです(プレゼンを聞いてた限りでは).
「広範囲に分散したコードほど共通コードでの括り出しが難しくなる」というのは,当たり前といえば当たり前なんですが,アスペクトマイニングおよびコードクローン系の研究では参考になると思います.