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2006-03-12 [長年日記]

_ [読書] プレファクタリング

Ken Pugh 著「プレファクタリング -リファクタリング軽減のための新設計-」(オライリー・ジャパン).

リファクタリングとかの必要性が少しは減るように(なるべく変更量が小さく保守しやすいコードになるように),コーディング前にリファクタリングをする,というのが紹介文には書いてあった.

ざっと中身を眺めた限りでは,分析やクラス設計,コーディングまで,今まで色々言われてきたプラクティスを整理していて,保守しやすいコードを作ることを考えよう,ということを,1つのシステム開発の例を題材に解説している.

「関心事の分離」(「横断的関心事の分離」ではなく)に関する記述なんかが気になったので購入してみた.

_ [論文] アスペクトの記述支援

斉藤 瞳,櫻井 孝平,山崎 雄大,古宮 誠一: 横断的関心事の特定に基づくアスペクトモジュールの記述支援.

第68回情報処理学会全国大会,4F-6,2006年3月.

アスペクトの生成支援は,元のコードと,追加したい処理を書き加えたコードの差分から,アスペクトの定義を生成しようというものらしい.

α-ωマーキングをしたところを機械的にリファクタリングする Binkley らのアプローチ(ICSM2005)に似ている.

after call と after execution のように,同じことを実現する複数の選択肢がある場合をどうやって決めていくかといった,設計をどう支援できるかにもよるかも.

_ [論文] Bugdelを使ったAOP的デバッグ

組み込みJava向け開発環境へのアスペクト指向ツールの適用

第68回情報処理学会全国大会,4F-7,2006年3月.

Bugdel を使って,本稼動に近い環境上でデバッグ用コード(トレースとか)付きのシステムを走らせてみた,という話.

組み込み環境ではデバッグ用VMだとJITが使えないとか,厳しい制限があるので,そのあたりをデバッグ用アスペクトとして書いてしまう,という発想になったらしい.

デバッグ用コードの分離・再利用がいちおうできるというのも利点の1つ.

行ポイントカットは,デバッグ用だからOKといえばOKなのだけど,CVSとかでチェックアウトしてきて,差分でコードがずれたとかいうことになると厄介.

コメント行として何かを書き込んでおいて,ツールを通してポイントカット定義を生成するなんて方法を使えば,的確に固定のデバッグ用ポイントを埋め込めるんじゃないかな?と思ったりもする.

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