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2004-09-03 古い日記からの変換データ [長年日記] ▲
_ [論文] クエリーとしてPointcutを指定する ▲
読もうとしてたらたまたま aosd-jp ML でも紹介されてたり.
Michael Eichberg, Mira Mezini, Klaus Ostermann:Pointcuts as Functional Queries. In The Second ASIAN Symposium on Programming Languages and Systems (APLAS 2004), Springer, LNCS.
Java などを XML 表現に変換してその上で XQuery を使えば,実は pointcut 言語と同じことができるよという感じのお話.
題材としては Kiczales の predictive control flow など.「draw メソッドの実行中に参照される(特定クラスの)フィールドの集合」を「ディスプレイの状態」とみなして「ディスプレイの状態が変更されたら…」と実装の詳細をある程度抽象化した表現に持っていきたい(と言いたいのだと思う)が,そういう pointcut を書くための道具立てとしてXQuery も使えるんですよという展開になってる.
とりあえず静的な pointcut だけに限定した話だが,まあそれなりの時間で計測もできているしこういうクエリーを pointcut 記述に使うのもいいでしょう,という話らしい.関連研究では dflow なんかも実現してみたいとか,Josh のようなメタプログラミングは難しいですよとか,色々.
この論文の主旨ではないが,pcflow は,不用意に書くと「draw から参照されるフィールド集合」の中に無関係に貼りついたアスペクト(たとえばキャッシュ処理とか)が勝手に導入したフィールドまで含まれたりしそうで怖そうでもある.きっと便利だし,あれば使う機能だと思うのだけど…….フィールド集合が静的に解析できるなら自前でチェックもできるし,大丈夫……かな?