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自作フリーソフトや,ゲームに関する雑記を公開してます.
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2005-12-22 [長年日記]

_ Volume Deskbar 1.0.3 リリース

改良色々.今回は,提案された案をほとんどそのまま受け入れた感あり.ボリュームコントロールやオーディオのプロパティが開けるようになったり,WAVEがコントロールできるようになったり,日本語メニュー表示が可能になったり.さすがに項目数が増えてくると日本語メニューでないと厳しい人もいるよね,ということで付けてみた.

テスト項目を列挙してみたらもう40件くらいになっていたが,タスクバーを左右や上側に表示したケースや,ログオフして再ログオンとかいうのがテスト項目に入ってたりして,自動化がほぼ不可能なところが厳しい.

_ APSEC での収穫(?)をまとめたりする

単に聞いてきた発表の中で面白かったもの・取ったメモを整理.後で検索できるように,ぼちぼちこの辺に書いていくことにする.

_ [論文] 非決定的要素に対するテスト

L. Wildman, B. Long, and P. Strooper: Dealing with Non-determinism in Testing Concurrent Java Components

Proceedings of APSEC 2005.

並行動作するプログラムのテストケースをいかに記述し,テストするかというお話.

基本はモニタ制御で,時刻を進めながらイベントを処理するようなのだが,Producer-Consumer パターンで,Consumer A, B 2つがデータを待ち受けているとき,次に Producer 2つが put した2つのデータのどちらを Consumer A が受け取るかは非決定的になってしまう.

しかし,スレッドの実行順序に JVM 依存な仮定を置くのも嫌なので,とりうる状態の組み合わせの宣言を可能にすることで,テストケースを簡潔に記述できるようにしている.

_ [論文] コンポーネントのアップグレードに対する回帰テストケースの選択

A. Pasala and A. Bhowmick: An Approach for Test Suite Selection to Validate Applications on Deployment of COTS Upgrades.

Proceedings of APSEC 2005.

Windows のパッチなんかが当たったときに,回帰テストをシステム全体にかけるのは非現実的なので,Component Interaction Graph (CIG) という,Windows 内部コンポーネントに関する動的コールグラフを作り,各テストケースがどの Windows コンポーネントを使っているか調べておく.

そして,アップグレードが起きたら,そのコンポーネントを使っているテストケースだけを回帰テストしたらいいよね,というだけなのが,Windows パッチに実施したら,だいたい半分くらいのパッチについては回帰テスト不要だったことが判明したらしい.

_ [論文]相互作用のプロトコルをオートマトンで記述

Y. Jin and J. Han: Consistency and Interoperability Checking for Software Component Interaction Rules.

Proceedings of APSEC 2005.

interaction protocols とは,サービスの呼び出し順序に対する相対的な順序の指定. 以下のようなパターンとスコープを組み合わせて定義するらしい.

Patterns:
OP is absent /
OP exists at most n times  / OP exists at least n times /
OP1 precedes OP2  / OP1 leads to OP2
Scopes:
globally / before OP3 / after OP3 / 
after OP3 until OP4 / between OP3 and OP4

これらを使って,一貫性とか,システム全体でプロトコルに従って動くか検査するよーという話.

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