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自作フリーソフトや,ゲームに関する雑記を公開してます.
日記はソフトウェア工学の論文ネタが中心です.
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2006-07-31 [長年日記] ▲
_ [近況] 今日も講演を聞いてきた ▲
Thomas Zimmermann という人が,今度のASEで発表する内容とかを話してくれた.この人は,去年のFSEではCVS履歴から「Aを追加してる人は同時にBも追加している」という情報を集めてきて,パターン分析しようというのを発表してた.
今度の手法は,アスペクトマイニング.「どこでどのメソッドを呼び出しているか」の関係を呼び出し側を縦軸,呼び出し先を横軸にとってチェックをつけていく.concept anlaysis を使って縦長の長方形になる部分(2〜3個程度のメソッド集合が,たくさんの場所で呼び出されているケース)を発見すればそれはアスペクトの候補だろう,としている.fan-in analysis の拡張といえる(?)
この人のアプローチで面白いと思ったのは,ロギングのような横断的関心事は「同時に複数個所に配置される」,IteratorのhasNextとnextのようなメソッドペアは「一度に一箇所ずつ増えていく」という仮定.これらの違いをCVS履歴から区別しようとしている.「一度にたくさんの箇所に呼び出しが追加されているもののほうがアスペクトっぽい」というメトリクスを定義しているようで,それをランキングに使った結果,lock/unlock ペアとか,意味のありそうなものが上位に出てきているらしい.
この人は,「データ抽出タイミングと,出てきたパターンのランキング手法とのどちらで頑張るかという選択肢があるが,ランキング側に力を入れている」らしい.だから,メソッド呼び出し対象のエイリアス解析とか,その辺はコストかけず適当に,という感じらしい.
メトリクスのちゃんとした定義とか,CVSから取ってきたデータと最新ソースのデータの取り扱いとか,ちゃんと論文が出てから確認したいところ.