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2006-08-08 [長年日記] ▲
_ [論文] デザインパターンカタログの品質メトリクス ▲
Cutumisu, M., Onuczko, C., Szafron, D., Schaeffer, J., McNaughton, M., Roy, T., Siegel, J. and CarbonaroEvaluating M.: Pattern Catalogs - The Computer Games Experience. Proceedings of ICSE 2006, pp.132-141, Shanghai, China, May 2006.
ゲーム開発を題材にしているが,定型的なコードの生成(もしくは手作業での記述)に使うデザインパターンを一式用意したとき,それがどのくらい「良い」カタログかを計測するメトリクスを提案している.
メトリクスは,カタログ単体ではなく,カタログとアプリケーションの組に対して計測される.カタログに掲載しているパターンのうち何%がそのアプリケーションで使われたかを表現する usage(低い=有用なパターンを見つけにくい),アプリケーション内で使っているパターンのうち何%をカタログが網羅しているかの coverage,1パターンあたり何回くらい使われてるかの utility,パターンを実際の場面に適用するのに必要なステップ数の少なさをあらわす precision の4つ.
「そのアプリケーションに対するカタログの適切さ」なので,値が良くなるようなデザインパターンのサブセットをカタログから取り出しておき,同じドメインの別アプリケーションの開発に使う,とかいう形になるのだろうか.
ふと思ったのだけど,コーディングパターンとかをソースコードから自動抽出するような手法の出力結果に対して,この4つのメトリクスの値を良くするようなフィルタリングを行えば,出力の有用性が上がったりするかもしれない.抽出されたパターンのインスタンスがどこにあるかを数えたり,どのくらい元パターンから変形してるかを判定する方法のは大変だろうけども.