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2006-08-21 [長年日記]

_ [論文] アスペクトの相互作用の例

concern interaction にどんなのがあるの?という質問に対して,aosd-discuss メーリングリストで挙げられていたStudy on interaction issuesというAOSD-Europeのドキュメントを見てみた.

interaction は conflict(競合),dependency(依存),reinforcement(強化),mutex(排他)に分類できる,としていて,case study でどんなものが実際に見つかったかを紹介している.で,カタログとして,述語論理ぽい状態の記述で関係を説明している.

conflict は2つのアスペクトを同時に使うとこけるパターン,dependency は1つのアスペクトが他の特定のアスペクトの存在を仮定しているパターン.mutex は2つのアスペクトが同時には使えないパターン.reinforcement は,「あるアスペクトが存在すると,機能を強化できる」というものらしい.たとえば計算結果をキャッシュするアスペクトは,データ暗号化アスペクトの暗号処理の結果をキャッシュするので処理速度を向上できるとか,セッションの状態を保存するアスペクトがあればネットワーク監視アスペクトはネットワーク切断・接続に合わせたセッションの自動再開をすべきだとか.

reinforcement 以外の3つは述語論理ぽく関係をうまく記述できているように見えるのだけど,reinforcement だけは「別のアスペクトの存在で放っておいても機能が強化される」パターンと「別のアスペクトを使って新たなサービスを提供できる」パターンが混ざっているような感じがして,何か曖昧な印象がある.なんか誤解してるのかもしれないが.

とりあえず,「すべてのアスペクトが直交してるわけではない」とか,「aspect interactionのすべてが害のあるものではない」とか書きたい場合には,具体例を色々載せてることもあって,引用するのに手ごろかもしれない.

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