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日記はソフトウェア工学の論文ネタが中心です.
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2005-08-11 [長年日記] ▲
_ [論文]データ依存の強さ ▲
Alessandro Orso, Saurabh Sinha, Mary Jean Harrold: Incremental Slicing Based on Data-Dependences Types.
Proceedings of ICSM 2001, pp.158-167, Florence, Italy, November 2001.
輪講で紹介された論文.
プログラムスライシングを行うときに,データ依存の「強さ」によって強いものと弱いものを区分することで役立つのではないかと言っている論文.強さは,定義→利用の関係において,必ず到達するものは到達しない可能性がある,途中に他の定義で上書きされるようなパスが存在しないかどうか,といったことで決まる.確実に到達する関係が一番強く,「ポインタ経由でデータが上書きされるかもしれない文」をif文などで通過してしまう「かもしれない」文などは弱くなる.
強いもの弱いものの含まれる比率にはばらつきがあるようで,バグ発見という用途では,強いものから徐々に弱いものまで探索範囲に含めていくというのでは,有用かどうかよく分からない.
この辺の話は,プログラムの実行の最適化の話に近いような気がしなくもない.