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2004-06-04 古い日記からの変換データ [長年日記]

_ 論文

ICSE2004 Keynote その2.

Jonathan Barker, Janet Thornton:Software engineering challenges in bioinformatics.

分子生物学などの生物情報系の扱うデータ量の増加ペースなどが基本の話題のよう.

新しい種類の情報と過去の情報を組み合わせる方法,それからデータをどのように提示するか,といった問題が出てきているよ,というもの.

あまり技術的にどうこう,という話はなくて,わりとお話だけのような印象.

_ 論文

ICSE2004 Keynote.

Karl J. Lieberharr:Controlling the Complexity of Software Designs.

毎度おなじみ?というくらい聞いている気がするLaw of Demeter の Lieberharr が keynote だったらしい.

AOSD のときに聞いた話とあまり変わらず,Law of Demeter の有効性の話がメイン.Law of Demeter for Concerns (LoDC)はLoD をさらに限定したもので,LoD の「友達としか話しちゃ駄目だよ」ルールの「友達」が「自分が所有する,直接作る,引数でもらうオブジェクト」の中から同じ関心事に関わるものだけに限定するというもの.

LoDC に従うプログラムは変更に強くなる……らしい.使ったことないからいまいち実感がないのだが.

LoDC に従うとアスペクトの機能というのは少し制限されそうだが,アスペクトの恩恵の大部分は得られる,という態度.

アスペクト関係での未解決の問題としては,アスペクトの能力の制御以外には,アスペクト間の相互作用,リソース消費の予測などがあがっている.

この keynote では adaptation dilemma と呼んでいる「ベースのプログラムが変わったけど,アスペクトが作用する要素は正しいままかどうかテストする必要がある」という問題は,Fragile Code Problem とほぼ同様のことを指摘している.

Semantic JoinPoint と絡んで来年の AOSD あたりで大きな話題になるかなー?と勝手に予想している.

_ 論文

授業の準備があらかた片付いたので,たまっていた論文の消化.

Mark Weiser: Programmers Use Slices When Debugging.Communications of ACM, Vol.25, No.7, pp.446-452, July 1982.

デバッグ作業において,開発者は変数がどこから来たかを追っていく(プログラムスライスをたどっていく)作業を行っているのかどうか,またプログラムを理解するときにはプログラム中の連続したコード単位で理解しているかどうか,ということを実験しようという論文.

開発者がモジュールの構造とかをきちんと把握していなくても,プログラムスライスのような,モジュールにちらばったコード群を取り出してきて作業を行っている,という実験結果を示している.

プログラムスライシングの手法をきちんと理解することがソフトウェアの保守やデバッグ作業に役立つだろう,また,もしかしたらデバッグ能力などの向上にも役立つかもしれない,と結んでいる.

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